pimboke6

慢性病

慢性病_b0170947_985194.jpg


慢性病は身体全体の病気だから、
身体全体が (心もふくめて) 元気にならなければ、本当には治らない。

皮膚の症状は皮膚の病気、
肺の症状は肺の病気、
胃の症状は胃の病気、
心の症状は心の病気、
というような現代医学の考え方に慣れた人から、
「イボがふえてるんだけど、何かいいレメディーはない?」 なんてきかれると、
だから困ってしまう。
(ちなみにイボも、慢性病の症状よ)

そんなときはいちおう、
イボの症状によく効いたという実績のあるレメディーを教えたりはするけれど、
それでイボが消えた場合も、消えなかった場合も、
こちらの気持ちはすっきりしない。
なぜか・・・?



イボが消えた場合は、
イボを生みだした根っこの病気が解決していない可能性があって、
もしそうだとすると、イボはまた再発するだろうし、
再発しなければもっと複雑な重い症状となって現れるだろう。
イボは根っこの問題のはけ口としてあったわけだから、
はけ口だけが消えると、根っこの問題は別のはけ口を見つけなければならない。
はけ口がある限り、根っこの病気はそんなに急には深刻化しない。
つまりイボはサバイバルの手段なのだ。

運がよければ、わたしの教えたレメディーで根っこの問題まで解消される可能性も皆無ではないけれど、
それはとてもまれだと思う。
何しろイボがふえるにはそれなりの事情があったわけで、
そのいろいろな事情を全部考慮してレメディーを選ばなければならないし、
その事情がそっくり解消されるには、
それなりの手順と時間がかかるのがふつうだから。

だからイボが簡単に消えると、
わたしとしてはちょっと罪悪感を覚える。
全身の慢性病を深くしてしまったかもしれないので。

でもいいこともある。
ともかくイボが消えたということで、
ホメオパシーは効果があるみたい、と思ってもらえて、
もしかしたら相談会に来てもらえるかもしれない。
そうしたら根本の問題に取りくめる。



それに対して、イボが消えなかった場合は、
問題のはけ口を消滅させずに済んでほっとする反面、
ホメオパシーって効かないのね、
と思われて、それっきりってなるかもしれない。
そうなったら根本の問題には取りくめない。

あるいは、その人はレメディーで消えなかったイボをなんとか消そうとして病院に行き、
イボを消してしまうかもしれない。
大切な病気のはけ口を。




だからどっちの場合も、残念なわけです。
最初から相談会に来てくれればいちばんいいのだけれど。




「人間の皮膚は、皮膚以外の生きている体全体の関与がなければ、いかなる発疹も生みださない。
さらに言えば、全身の病的な状態、すなわち体全体の異常な状態によって、
発疹が発現するきっかけを与えられ、発現せざるを得ない事態にならなければ、
人間の皮膚は決して病気にはならない」
                            ---- ハーネマン 『慢性病論』






ちょっと関連のある別のはなし。
うちのマイクロトマトに虫がついた。
ハダニという虫らしい。
葉っぱがどんどん枯れて、まだある葉っぱも、せっかく成っている実も、
くもの巣みたいなもので覆われてしまう。
下の写真は、木酢液を薄めたものを噴霧したあとなのであまりひどくないけれど、
その前はくもの巣みたいなところに赤い小さい虫がびっしりついていた。

慢性病_b0170947_8565040.jpg


慢性病_b0170947_857558.jpg



青々としげっていた葉がどんどん落ちて、
今はこんなわびしい姿になってしまった。

慢性病_b0170947_8573819.jpg



くもの巣みたいなものがどんどんはびこったあとでやっと使った木酢液が、
かなり効果を発揮したので驚いた。
濃いめに薄めた溶液を霧吹きでシュッシュすると、
次の日にはハダニの数が激減している。

いろいろ調べると、ハダニは乾燥状態ではびこるらしいから、
木酢液だけでなく、水分のせいでも減ったのかもしれない。
そもそも葉が枯れはじめたのは、
1~2日、水をやりそこねたあとだった。
トマトは水をやりすぎてはいけないと聞いていたので、
控えめにしていたら、いつの間にか水やりを忘れがちになってしまった。
それで乾燥したのがいけなかったのかな。

でもね、木酢液でハダニをやっつけるのは、イボを消すみたいなものだと思う。
ハダニが来たからトマトがだめになったんじゃなくて、
トマトが元気でなくなったからハダニがはびこったんだと思う。
葉が枯れはじめるころから、
鉢の土が細い根っこでびっしりになっているのに気づいた。
きっともうこの鉢では、根っこをのびのび活かしきれないのだ。

慢性病_b0170947_20143454.jpg


だからたぶん、木酢液で一時的にハダニが減っても、
根っこを元気にしないかぎり、
いずれもっと盛大にハダニがはびこって、
なかには木酢液に強いハダニも生まれるかもしれない。
人間とおんなじ。

ああ、根っこがのびのび伸びられる地面の畑で野菜をつくりたいよう。












※「アナタはご本人様でいらっしゃいますか~動的平衡の中で考える」 福岡伸一


福岡さんて、こんなにいい声だったんだ。
本もおもしろいけど、お話しもおもしろい!
「変わらないものは何ひとつない」




※2014年のノーベル平和章。
憲法9条を維持してきた日本国民は受賞できなかったけれど、
この人が受賞できたのはよかったと思う。史上最年少受賞者の力強いスピーチ!(2013年7月 国連にて)


 上のスピーチ全文和訳

 マララさんはこんな人

 同時に受賞したサティヤルティさん


by homeopa | 2014-10-10 21:47