pimboke6

not to be killed in the country life

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21日~23日、東京を離れます。
その間、メールに返信できませんので、ご了承ください。
ご不便をおかけして申し訳ありません。




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ということで、田舎に行ってこようと思う。
それに際して、というわけではないけれど、
たまたま図書館に行ったらこんな本を見つけて、
読みはじめたら、怪談でも読むような気分で、やめたいのにやめられなくなった。
おそろしや~~。



定年間近の世代の人々に向けて、
とくにずっと会社勤めなどしてきた団塊世代の男性たちに向けて、
老後は美しい自然に囲まれた田舎の楽園でのんびりと、
なんておめでたい考えだけで田舎に移住するのはとんでもない、
と叱咤している本。

その口調がとんでもなく辛辣で饒舌。
あんまり辛辣なものだから、ときどき吹きだしちゃう。

田舎は「犯罪」の巣窟、と題された章では、
押し入り強盗にそなえて自分の身を守る方法が具体的に書かれているんだけど、
そこはもう腹をかかえて笑いながら読んだ。
こんな感じ。

「上策は家を建てる際に寝室を特別に頑丈な造りにしてもらうことです。防犯ベルやセンサーライトや
防犯カメラや警備会社からもらったステッカーなどは、田舎ではほとんど気休め程度の効果しかありま
せん。よしんば警備会社と契約していても、駆けつけるまでの時間が長すぎ、その間に連中は仕事を
済ませて立ち去っているのです。
高齢者の腕力で彼らを撃退させることはまず不可能ですが、諦めさせることくらいならやれるでしょう。
それには寝室を要塞化することです。
窓には格子をはめ、ドアには内側からの錠前のほかに、上下二重のかんぬきを設置しましょう。それも
中途半端な安物で誤魔化すのは命取りになります。ドアは鉄板を内蔵した特注品がいいでしょう。でき
れば、ドアとわからないような、壁の一部にしか見えない作りが最適です」

「それでも不意を突かれて押し入られてしまったときに備え、人殺しなど何とも思っていない輩と互角に
闘えそうな、しかも合法的な武器を準備しておきましょう。役に立ちそうな武器は槍です。本物の槍は
許可が必要ですし、値も張りますから、手製にしましょう。柄の長さは一メートルちょっと。穂先にはがっ
しりとした造りの、柄と刃が一体化した登山ナイフかキッチンナイフを利用します。しかし刃渡りには気を
つけてください。長過ぎると折れたり曲がったりすることがあり、短過ぎると用をなさなくなってしまうこと
があります。
その武器は相手を威嚇して撃退するためのはったり道具ではありません。そうした認識は捨ててくださ
い。中途半端な抵抗ほど危険なことはありません。いざその段になった場合にはしっかりと腹をくくって
徹底抗戦すべきです。ドアを破られ、賊が侵入してきた瞬間に、両の目をかっと見開き、大声を発して
おのれを奮い立たせ、敵の腹部を、鳩尾のあたりを狙って、勢いよく繰り出してください。突くというより、
槍ごと体当たりをするといった方法がより効果的でしょう」

「先頭の賊を制したことが確かめられたなら、すぐに次の敵を制してください。怯んだように見えても、
逃げ出す体勢を見せても、けっして容赦してはいけません。反撃のための一時的な撤退であるかも
しれませんので、ためらうことなくその背中を刺してください」

この話題はこの調子でまだまだ続く。
わたしは笑いながら読んだけれど、
もしかしたらこれは笑い事ではないのかもしれない。
筆者は真剣に書いているのかもしれない。
田舎に住むには、まず槍をつくることを考えなければならないのかもしれない。

もちろん場所によってもちがうのだろうけれど、
田舎の人との付きあい方とか、
田舎暮らしでどんなストレスを予想すべきかとか、
いろいろな点でかなり覚悟が定まった気がする。

そして最後のことばは、まっすぐ胸に入った。

「しかし、あなたは強力な助っ人の存在を忘れているのです。
それはあなた自身です。
あなたは確かに絵に描いたような強者ではないかもしれません。でも、あなたが思い込んでいるほどの
弱者でもないはずです。おのれのすべてを他者に預け、委ねて生きてきた長年の付けをきれいに払い
さえすれば、そこから本来在るべき姿の本物のあなたが浮上してくるに違いないのです。
そうした方向へ自分を持ってゆくことこそが、本当の第二の人生なのです。動物の一種として生まれ、
操り人形として生きてきたにもかかわらず、後半生では人間として生き、人間として死んでゆける道を
たどることができたのなら、それがあなたの生涯における最大の功績であり、この世を生きた証であり、
最良の思い出であり、そして至上の喜悦であることでしょう。
そうするには一体どうすればいいのでしょうかなどと間違っても訊かないでください。その答えのすべて
はあなた自身の思念のなかに隠されているのですから」

「本物の光は漆黒の闇のなかでしか輝きません。
本物の感動は現実のおぞましさのなかでしか出会えません」






※ホメオパシーお茶会やります。
2014年9月28日(日) 14:00~16:00

by homeopa | 2014-09-20 21:30 | 世の中のこと