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walking backwards2

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前回の記事で、後ろ向き歩行の哲学的考察を試みた。

そして一昨日、昨日、今朝と3回、後ろ向き歩行をやったら、
だいぶ前から痛みや不具合のあった右股関節と右膝の調子が明らかによい。

そういえば例の奇人も、
後ろ向き生活になってから腰痛や膝の関節痛がなくなったと書いてあった。

では後ろ向き歩行の身体的考察をと思って、ググってみたら、
どうやら後ろ向き歩行はブームになっている、あるいは、数年前にブームになったらしい。
太極拳の 「退歩」 という動きがヒントになって中国で広まったのが、
日本にも伝わってきたとか。

わたしもやってみて実感したけど、
後ろ向き歩きは、前向き歩きより筋肉をたくさん使う。
あるいは、いつも使っていない筋肉が使われるのでそう感じるのかもしれないけれど。

とくに使われるのが脊柱起立筋とか、腿の前側の筋肉とか、すねの筋肉だそうだ。
そのせいか猫背が改善すると言われている。
膝の周囲の筋肉や靭帯も鍛えられる。
これはわたしも実感。
しかも腰への負担が少ない。

前向き歩きの2倍のエネルギーを消費するということで、
後ろ向き歩行ダイエットなんて言葉もできているようだ。
なんてもダイエットにつなげるのね。

後ろ向き歩行では、歩幅が狭くなるので歩行速度が落ちる。
そして足が地面についている時間が長い。
前向き歩行でいつも急いで歩く人は、
ときどき後ろ向き歩行でじっくりあるいて、地に足を着けると、気持ちが落ち着くかもしれない。
例の奇人も、後ろ向き歩行のおかげであまり欲張らなくなった、多くを求めなくなった、と書いてあった。

後ろ向き歩行ではバランスをとるのがむずかしいので、
左右の足の開き方が大きくなる。
そういえば整体の片山洋次郎さんの本に、
ときどき赤ちゃんのように左右の足を広げてよたよた歩くとよいと書いてあった。
なんでそれがいいのかは忘れたけど、
確かにやってみると、変な安堵感というか、気楽さがある。
見栄も外聞も捨てた感じ。

このバランスをとる努力によって小脳の働きが刺激されるので、
後ろ向き歩行はパーキンソン病の人や平衡障害のある患者さんの訓練にも使われているらしい。

こうやって平衡感覚を活性化したり、後方に意識を集中したりすることは、
認知症防止にも役立つかもしれない。

またしても片山洋次郎さんによれば、
人が緊張したり不安になったり焦ったりしているときは、
意識が前だけに集中しているそうだ。
だから死体のポーズなどしても、背中が床に触れているのをはっきり実感できなかったりする。
となれば、後ろに意識を向けるということは、
緊張をゆるめたり、焦る心を静めたり、不安をなだめることにつながるかもしれない。

昨日も今朝も、うぐいすの声がまるで液体のように耳に流れこんできた。
みずみずしくて、鮮やかで、実体のある音。
これも後ろ向き歩行のおかげかもしれない。
by homeopa | 2014-03-30 08:32 | 身体のこと