pimboke6

sleep

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寒さが戻ってきて、朝布団から出るのが、またつらくなった。
寒いときは、気持ちがいいんだわ、布団の中が。

眠るっていいよねー、そうだねー、でもそれを感じられるのが朝の寝起きの一瞬だけっていうのがねー、
と、この前ガガと話していた。
たしかに、何時間も眠るのに、
その心地よさを意識できるのは朝の一瞬だけ。
ちょっと損したような気分だ。

日本人の平均睡眠時間は、
1970年では、ほぼ8時間だったのに対し、
2010年では、7時間15分に減っている。

たった40年のあいだに、
人間が少ない睡眠時間で生きられるように進化するはずもないので、
現代人はみんな睡眠不足と言える。

現代人は睡眠時間を無駄な時間だと思う傾向がある。
目覚めている時間が長ければ、その分いろいろなことができて得をすると思うのか。
欲深いな。
ひとのことは言えないけど。



でも実際、眠りには心地よさ以外にもご利益がたくさんある。
覚醒時にまさるとも劣らないご利益が。

たとえば、昼間に酷使した身体を修復すること。
新陳代謝ってやつだな。
これが顕著にあらわれるのが粘膜だけれど、
とくに歯茎はすぐわかる。
わたしはちょっと睡眠不足がつづくと、
すぐに歯がぐらぐらして知覚過敏のようになる。
歯茎は眠っているあいだに再生されるのだ。
ほかのすべての細胞も。
だからたくさん眠る人は、お肌がきれい。

それから、記憶を定着させること。
昼間にインプットしたさまざまな情報を整理して記憶の引きだしに保存する。
これも睡眠の役目。
いくら勉強しても、眠らなければその情報は整理されず、記憶にも残らない。
だから睡眠時間をけずって勉強する受験生は、
まったく無駄なことをしていることになる。

たくさん眠ると、知能テストの成績も上がるらしい。
おもしろいことに、勉強中に心地よい匂いをかがせて、
ノンレム睡眠中に同じ匂いをかがせると、
学習効率が上がる、という実験結果もある。

昼間に解決しなかった問題が、
ひと晩眠ると、朝には解決できたりする。
これは、睡眠中に脳神経の重要なシナプス結合が強化され、
重要でないシナプス結合が弱められる結果らしい。
シナプス結合っていうのは、脳神経と脳神経のつなぎ目のこと。
つまり大事な神経回路が優先され、どうでもいい回路は無視されるということ。

くよくよ悩む人というのは、
たいていどうでもいいことを大きく考えてしまって、
それで悩んだり、迷ったりしていることが多い。
身のまわりのさまざまな事柄を、重要なこととそうでないことに分けて、
どうでもいいことを無視できるようになると、
決断力が増して、悩まなくなる。
眠りがそれを助けてくれる。

アインシュタインは10時間以上眠っていたらしい。

それから夢。
夢は潜在意識の表現でもあり、
もうひとつの人生でもある、
とわたしは思っている。
わたしたちが覚醒時に見聞きしたり体験している物事は、
世界のほんの一部であって、
眠りの世界ではもっとたくさんのことが起こっているのではないかと思う。
それを垣間見させてくれるのが夢。

人間のデフォルト状態は、睡眠状態である、
とだれかが書いていた。
わたしたちは、生きるために眠るというより、眠るために生きているのかもしれない。
もし心がフリーズしたり、動作がおかしくなったときは、
眠ってデフォルト状態に戻るといい。

まだまだ解明されていない眠りの世界は、
未知の可能性にあふれている。



てなことで、睡眠不足がつづくと、
いろいろ困ったことが起こる。
たとえば、記憶力・創造力・判断力が低下する。
ホメオスタシスの機能がそこなわれ、体温が下がり、免疫機能が落ちる。
アルツハイマー病の原因とされるアミロイドβというタンパク質が脳内に蓄積する。
そして自分を覚醒してくれるものが欲しくなる--- ドラッグ・興奮剤・元気ドリンク・カフェイン・ニコチンなど。
このあたりはよく知られていると思うけれど、
じゃあ、これはどうだ?

睡眠不足になると、太る。

睡眠が不足すると、グレリンという食欲増進ホルモンがたくさん分泌されて、
炭水化物を、とくに砂糖を、たまらなく欲するようになるらしい。
先日、友だちにその話をしたら、
その友だちがちょうど睡眠不足になった晩があって、
翌日、バカ食いしていた。

そういえばわたしも、ホメオパシーの学生だったころは、
毎日睡眠時間が4~5時間で、
夜中に勉強しながらせんべいなどボリボリ食べていた。
そして勉強は身につかず、体脂肪が身についた。

だから睡眠が足りない人は、太るのだ!
この話をしたら、ガガも最近よく眠るようになった。



しかしこの数日よく眠っていたガガも、
さすがに今朝は早く目が覚めた。
受験の本番だからね。
しかも雪。

すっごく緊張してるんだけど! といって、
めずらしく母のハグを三回もとめてから出ていった。

たくさん眠ったから大丈夫だよ。





※この記事にふくまれる蘊蓄は、一部をのぞいてどっかからの引用です。
  引用しているくせに、あたかも自分が発見した真理のように語る人には成りさがりたくないので、
  引用元をたねあかし。
  動画:ラッセル・フォスター: なぜ人は眠るのか?
  睡眠の科学―なぜ眠るのかなぜ目覚めるのか (ブルーバックス)






※ホメオパシー座談会 「痛みよこんにちは♪」 2月16日(日)
by homeopa | 2014-02-08 08:22 | 身体のこと