pimboke6

civilization

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「あたしって、すごいよね」
「何が?」
「朝、ヒーターなしでヨガやってる」
「ていうか、なんか障害あるんじゃない?」

そうか・・・・
ただ、ほめてほしかったんだけど。





ま、それはともかく、今年の春、川原で見つけた桜の木。
ソメイヨシノとはまた違った、しっとりしたやさしい美しさがあって、
来年の春も楽しみにしている。
でも秋ごろから、しなだれた枝の先に蔓植物がとりついて、
どんどんからまって、
見ていていたましかった。
そこで一昨日、散歩のときに、ハサミを持って救出に行った。

よくもこんなにと思うほど、あちこちから蔓が伸びあがって、
近くの枝に取りつき、
そこにグルグル巻きついて、締めあげて、
どんどん上に伸びている。
それを一本一本、ハサミで切って、
巻いているところはほどいた。
桜の木にとってはお節介なのかもしれないけど、
太い蔓は直径が2.5cmもあって、
それが巻きついた枝はやっぱり重そうに苦しそうに見えたものだから。

「あら、いいのよ、気にしなくて。この子たちだって、何かすがるものが必要でしょう」

「そんなこと言ってるから、どんどん甘えてのさばるんですよ、こういうダメ男が」

「でも、もし私がいなかったら、この子たち、何にすがればいいの?」

「きっとニョロニョロどこにでも這っていって、また別のすがれるものを見つけますよ。
 それぐらいしたたかなやつらですから、こいつらは」

なんて会話をしながら、わたしの腕が届くかぎりの蔓をすべて切ったところで、足元を見ると、
不機嫌な顔のダメ男ならぬ蔓がたくさん。
そうだ、これでリースをつくろう。
ということで、その場で適当な蔓を見つくろって、
リースをつくった。
昔はわたしもダメ男に弱かったけど、
今はもっと残酷。

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初めてだったけど、何とか格好はついた。
ちょっとご機嫌になって、
何かこれに飾り付けられるものはないかとキョロキョロしながら歩いていたら、
通りかかったおばさんが、
「あら、うまくできたわね」
とほめてくれた。
「ええ、でもボキボキ折れちゃって」
と言ったら、
「あのね、水にひたして柔らかくしてから編むと折れないわよ」
と教えてくれた。

そうなんだ。
来年はそうしよう。

人間というのは、奇妙なものだ。
自然のものはそのままでも美しい。
蔓には蔓の美しさがある。
でも人間はそれだけでは満足せず、そこからさらに何かつくりたくなる。
何の役にも立たないものでも、手を動かして、何かをつくりたくなる。
この人もそう。↓ 
自然の素材だけでアートをつくる人。
(長いです。わたしは魅了されたけど、興味のない人には退屈かも)



文明というのは、便利さを求める心から生まれてきたのだと思っていたけれど、
もしかしたら、それより先に、
こういう、とにかく何かをつくりたいという衝動から生まれてきたのかもしれない。
便利だろうが、役に立たなかろうが、関係なく。

つくっているものが途中で自然の力によってはらはらと壊れたときの、
この人のがっかりした顔が、いとおしい。
結局、人間は大自然の前では無力なのだとわかっていても、
それでもつくる人間の真剣な遊び心がいとおしい。

そして家を出ていくこの男性に、
「今日は何をつくるの?」 と奥さんがきくところがほほえましい。


「生命を与えるものが、死も与える」


「これが僕の仕事よ。知らないことがたくさんありすぎる」






※あたらしい憲法のはなし
 とてもいいです。
by homeopa | 2013-12-28 09:06 | おもしろいこと