NAU緊急号外 斉藤まさし・三宅洋平
ちょっとお勉強。
金融のこととか、うとかったけど、
それによって戦争も、原発も、今のわたしたちの暮らしも、愛する子どもたちの未来も、
決定されてしまうということを、この動画を見ていやというほど知りました。
NAU緊急号外 2013年8月31日
斉藤まさし 日本の行く先とシリア情勢に大きな懸念
(書き起こし)
三宅:シリア情勢が今どういう背景でどうなっているのか、
たとえば米軍が単独で空爆したら日本はどうするのかと、
今ここでまとめておく必要があるのではないかと思います。
斉藤:なぜこのタイミングで米国がシリアを空爆するのか?
3月にもシリアの化学兵器の使用が大きな問題になりました。
でもそれから何もなくて、ここにきていきなり、
米・英・仏が軍事行動に出るという話が出てきた。
このタイミングということをぜひ皆さんに考えていただきたい。
僕がいちばん大きな要素だと思っているのは、
やはりファンド(金融)の動きだと思います。
アベノミクスは実は政策ではない。
国際的なファンドの動きに乗っかっただけです。
アベノミクスの発端はいつだったか? 去年の10月の下旬なんですね。
そのとき東京での外国人投資家による取引がいきなり大幅な買い越しに転じたんです。
そこから実は、だれも予期しなかった解散総選挙が始まるんですよ。
当時、民主党の中でもほとんどの人は解散反対だった。
それが、外国人による日本株買いが始まったころから突如として出てきた。
そこに外資がどんどん入ってきて、
解散総選挙を予想した状況で株価がどんどん上がっていった。
そして予想されたとおりに、今年6月に東京市場で株が暴落したわけです。
でもその前、半年の間に株価は倍に上がったわけです。
ということは、最初に動いた外資は大もうけをした。
三宅:底値で買いたたいて、売り抜けたと?
斉藤:そうです、そうです。まさに売り抜けたのが今年の6月です。
で、そのあと外資は、ファンドは、どこに向かったか?
いろいろあるけれど、いちばん集中して行ったのは石油なんですよ。
石油の先物取引にシフトしている。
いつもそうやって、あるときは金利、あるときは一次産品に、
安く買って、値をつり上げて、売り抜ける。
これがファンドがずっとやってきていることなんです。
思いだしてほしいのは、エジプトでの動乱がいつ起こったか?
まさに東京市場での株の売り抜けのあとから、エジプトの動乱が起こっている。
7月16日の毎日新聞の一面にスクープ記事が載りました。
エジプトでの最初の武装衝突のきっかけについて。
わずか20名のバイクに乗った私服の武装集団が、
対峙していた双方に銃撃したことから衝突が始まったということが、
一面トップに出ているんです。
全国紙が一面トップに書くということは、根拠がないはずはないと思います。
ただほかの新聞はそれを全く書きませんでした。
でもここからエジプトの争乱が始まり、これでまた石油の価格がどーんと上がっているんです。
そこへ来て、今度この時点で、シリアの空爆問題が起こっている。
これは何なのだと?
ファンドはファンド自身が金を持っているわけではない。
ハゲタカといわれる彼らに、世界中の大金持ちが出資しているわけです。
この間、NHKで『新富裕層対国家』という番組を放映しましたね。
それによれば、初めてNHKが数字を出したので根拠があると思いますが、
日本には新富裕層と言われる人々がすでに198万人に増えている。
具体的にいうと、投機にまわせる金を1億円以上持っている人です。
この数はアメリカについで世界で二位だということをはっきり言っている。
だから、このハゲタカファンドの動きは決して日本と関係のないことではなく、
少なくとも日本は二番目に責任があるということです。
僕は去年の総選挙がどうして行われたかということについて、
具体に直接的に的に何かを知っているわけではないし証拠もないけれど、
タイミングとしてはそういうことが事実としてあった。
今回のシリアのことも、いろいろなことが言われている。
たとえば米国は財政危機にあって、
ここに何とか共和党をひっぱりこむためには、戦争を有事にしてしまうということで、
それを口実にこれをあげるということ。
副次的にはそれもあるかもしれない、軍産複合体的な要素もあるかもしれない。
でも直接的にいうと、いちばん大きな要素はこれではないかと思います。
三宅:みんながアベノミクスはいったいどこにあるんだと言ってきて久しいんですが、
その198万人の……機関投資家ですか?
斉藤:じゃないです。個人投資家なんですが、
ハゲタカファンドは世界中の桁の大きい投資家からしか出資しないんです。
本当に限られた層なんだけど、でも国別に見ると、
二番目に多いのは、我が国の1~2パーセントの人たちのお金なんだということを、
ぜひみなさんに知ってほしい。
逆に言うと、日本でできることは小さくないんですよ、ということです。
三宅:日本が変われば世界が変わるとはよく言いますけど、
実際、そういう部分でアベノミクスの恩恵にあずかったのはごく一部の人たちで、
そういう人たちが動かしているという話ですね。
もはや政治という装置は、
金融の波を起こすための情報操作の道具になりさがっていると。
斉藤:情報だけじゃなくて、国家をだれが支配しているのかということ。
今や本当に国際的な投機資金といところが、
米国という最大国家と、軍事装置もふくめて(支配している)。
今やエジプト軍は完璧に米国の軍事援助によって支えられている。
これなしには動かないわけです。八割は援助で。
だから米国は外交・軍事もふくめて、
そういうところと連動してしまっているのが現実なのではと僕は思っています。
で、日本はどうなんだと?
今、イギリスが、今回の軍事参加を下院で否決しましたよね。
日本は直接的に軍事には関わらないだろう。
だけど我が国政府はこれに対してどういう態度をとるのか?
儲かるんですよ、その人たちは。もしシリアで軍事行動が起こったときに。
エジプトの動乱からシリアに入り、ひょっとしてこの戦火がトビヒすることで、
石油の値段が暴騰する可能性が非常に高い。
だけどもしこの空爆が行われたら、
エジプトの動乱だけでも千人単位の人が死んでいるけれど、
もっと大規模な殺戮が起こるということですよね。
そういう人間の生命や血が奪われて初めて成り立つこの利益、1パーセントの人たち。
逆に言うと、その人たちが儲けつづけるためには、
そこまでしなければならない状況に今世界は追い詰められているということです。
世界の二極化、2パーセントと98パーセントという言い方があるけれど、
そこまで来ちゃってるんですよ。
日本の株式市場で国際的な仕手戦をやってもまだ犠牲は小さいけれど、
もうここまで来ちゃうと、どれだけの人命が犠牲になるのかということをぜひ知ってほしい。
そしてこれを止める方法は、
少なくとも日本は二番目にその責任を負っているとすれば、
今戸の国に住んでいる僕たちがこの構造を変えられるかどうかということが、
今いちばんの問題じゃないかと思います。
原発のことも同じだけど、この犠牲の上に成り立つ1パーセントの人たちの利害。
同じ問題が今まさにシリアで起こっている。
だけど、このことが我が国の構造と密接に連関しているんだということをぜひ知ってほしい。
三宅:歴史を紐解くと、記憶に新しいのはイラクの侵攻でしたけれど、
生物兵器があるんじゃないかということで始まったはずの戦争が、
その話はどこへやらで、最終的には「ありませんでした」と。
その結論にいたるまでにいったいどれだけの人が死んだのかと。
その事象を通してだれがどれだけ儲かったかということをたどると、
当初のあやふやな情報はだれに利したのかということがはっきりします。
だからここで普通に言うと、
その人たちがその情報をでっちあげたんじゃないかという疑いが出てしかるべきんなんですが。
これは歴史を紐解くと、ベトナム戦争のトンキン湾でタグボートが沈められたというのも、
開戦してほどなくしてペンタゴンが自ら、あれはなかったと認めたんですが、
ベトナム戦争自体はすでに深い状態に進行してしまっていて、
やったやられたの応酬で、感情もぐちゃぐちゃになっている状況で止められないと。
で、今起きていることも、シリアから飛び火させて、どこまで中東を不穏にできるか、
この不安定とカオスこそがものの値段を不安定にさせるので、
この上下で利鞘を稼ぐ人にとっては、非常に有利なんですね。
ベトナム戦争なんかでも、戦場で戦っている兵士自身が、
いったいこれは何のための戦争で、いつまで続けなきゃいけないんだ、
という状態に、米国の世論も最終的に陥ったわけですよね。
これも今紐解くと、戦争が長引けば長引くほど、ある人たちが儲かるんです。
第一次、第二次大戦当たりまで経巡っていっても、
同じような企業の、同じようなファミリーの人たちが儲かりつづけていて、今も変わらない、
という構図に、僕も見えます。
斉藤:でそれをね、同じことを、繰りかえすのかということです。
僕はベトナム戦争時代に洋平の世代だったじゃないですか。
で、そのことも経験しているわけよね。
これを見てくれている人たちは若い人が多いかもしれないけど、
彼らにそういう事実を知ってほしい。
そしてイラク戦争のときは実際そうだった。
なかったわけよ、大量破壊兵器は。これはもう米国もみとめたわけじゃないですか。
今も(シリアでも)ペンタゴンは確実な証拠があるとか言っているけど、
本当にあるんだったら出しているはずですよ。
軍事行動をする必要があって、本当に確証があるんだったら、
それを出すのがいちばん有効なはずなのに、出せないってことは、ないってことですよ。
三宅:これはもう繰りかえされつづけた手法なので、
本当ならすべての人はもう気づいているはずなんですよ。
ところが、具体的にどう抑止したらいいかが、見つからないんです。
安倍芳裕さんの著作『世界超恐慌の正体』にもありますが、
副題がコーポラティズムと市民国家の戦いだと。
これは今まさに98パーセントぐらいの一般市民と、
2パーセントぐらいの超大企業のオーナーとか、そういう超富裕層との階級争いというか、
彼らの暴走をどう止めるのかという次元に入ってきていますよね。
斉藤:それが、でもできないことではないんだということを、ぜひ訴えたい。
結局ベトナム戦争もそうだったし、イラク戦争もそうだったけども、
当初から反対していた人たちはいたわけですよ。
アメリカで調査に入ってそのことを暴露した人もいたわけじゃない。
で、時間はかかったけど真実は明らかになったわけじゃないですか。
イラク戦争に関して大量破壊兵器がなかったということも、
トンキン湾事件がでっちあげだったということも、証明されたじゃないですか。
それを学んでいるわけだから、
僕らは今そこを思いだして、はっきり反対するべきだということと、
日本が目に見える形でそれに加担しなくても、
そこで儲かっている人たちが二番目に多い国なんだということを、ぜひ知ってほしいし、
そこを変えられさえすれば、これは変えられるんだということ。
今は米国も財政破綻状態じゃないですか。
そしてオバマは少なくとも富裕層には増税するというところまでは行った。
だけど今彼は歴史の瀬戸際に立っているわけですよね。
これでもしオバマ大統領がこの軍事攻撃をやったら、
歴代そういう過ちを犯したジョンソンやブッシュと同じ部類に入ることになるだろうけど、
一方で、富裕層に対する増税から、
もしかしたら彼もリンカーンやケネディのように暗殺される危険があるけれど、
それも恐れずに止める側にまわるのかという場面に立たされていると思う。
で、もうはっきりしているんです。
所得税だけではここは解決しない。
富裕層が持っている投機資産にまで課税するところまでオバマがやれば、
彼は全く逆のリンカーンやケネディの仲間に入る。
それを決めるのは何なのかというと、
それは米国の国内世論であり、国際世論であると。
イギリスは下院が否決した。
今日本もみんながどう考えるかというところにかかっている。
もっと言えば、今日本が何をしなければならないかということを、ぜひ考えてほしい。
やっぱり日本の二極化を進めてきた政治、とくに税政、
これを変える方向に持っていくということを、ぜひみなさんで考えてほしい。
三宅:となると消費増税とか、
日本人にとって今非常に近いトピックに差し障ってくるということですね。
斉藤:この国の戦後40~50年続いた右肩あがりの成長がどこで止まったかというと、
1989年4月1日、3パーセントの消費税を導入したところから、
失われた20年が始まったんです。
これはもうすべての統計が証明している。
3%を5%に引きあげた1997年4月1日から、今に続くデフレが始まっている。
それをまた10%に上げたらどうなるのか?
そのイマジネーションを大事にしてほしい。
若い人たちには経験がないからそこがわからないけど、
僕たちはもう物心ついたころからそれを見てきて大人になって気づいたわけだ。
それは僕らの世代にはわかるはずなんだから、
その世代の人たちもいると思うので、そのことをもう一回考えてほしい。
今やるべきは消費増税ではなく大衆減税なんだし、
2%の人たちに対して、資産まで含めて課税して、
そこに溜まっていたお金を8割の人にまわせば、資産のない層にまわせば、
デフレは一発で解決するんだというところが、僕はポイントだと思います。
だから関連を考えてほしい。そこが想像力なんだ。
今シリアで起こっていることと、自分の生活。
石油の値段が上がって儲かる人たちは2%。
日本の8割の人たちは石油の値段が上がると困るわけよ。
電気代は上がる、油代は上がる、もう漁師は困るわけさ。
漁に出られないんだよ、出ても儲からないから。
だから他人事じゃないんですよ。
シリアでは殺される。
日本では殺されることはないけれど、油が上がって損することしかない。
それを許すのですか、ということです。
三宅:なんでガソリンの値段が上がったり下がったりするのか、
ということは多くの日本人が漫然と思ってきたことだと思います。
その裏には、値段の上下というニュースを利用して、
そこでお金を生みだしているという構造があって、
それが過度に世界の政治をコントロールしてしまっているのではないか。
斉藤:そしてそれがまた、原発推進の口実に使われるんですよ。
石油は高いから、火力は高いという論理をつくってしまう。
だからまさにTPPと原発とシリアの連関性、
これと日本がいかにつながっているかということを、
ぜひみなさんに知ってほしいですね。
三宅:今この情報をキャッチしたみなさんはですね、
じゃ、自分には何ができるんだ状態になっていると思うんですが、
情報は拡散することが力で、
それは僕の選挙のときもそうだったんですが、
情報の拡散力がすごく注目されたんですよね。
おそらく自民党にとっても脅威な数字が僕らの支持者によって生まれたんですが、
まずは今ツイッターやフェイスブック上で、
シリア情勢とか金融政策とか、いろんなことの密接な絡みを、
みんなで情報発信していきましょう。
間違うことを恐れずに。
政治のクラスターに喧嘩をふっかけられて突っ込まれるということは、
5ツィートぐらいの間に3日ぐらい自分が勉強できるチャンスなので、
間違いを恐れずにどんどん疑問も発信して、
タイムライン上は一つの世論だと僕も思うので、
そこに今起きていることというのをトピックとして形成してほしいです。
そこからいろんなことが派生して、
さまざまなアクションが生まれてくるはずなんです。
まずは今、このことを話題にし、勉強を深める。
ここ2~3日かもしれませんね。
米国も切迫しているわけですよね。(斉藤:そうです)
経済界の特定のパワーを持った人たちに(オバマは)今つるし上げられている状態。
「おまえが今うんと言わなければアメリカが崩れるんだぞ」
というプレッシャーの中で、戦争のボタンを押すか押さないかということを、
オバマ氏も今考えている最中ですよね。
斉藤:そう。でこれは歴史の岐路なんだから、これを変えられるのは世論だけですよ。
彼らがいちばん気にするのは世論なんだから。
だからみんなウォッチをしてほしい。
もう株の戦争銘柄なんて言葉がメディアで出てきているんだから。
だからシリア情勢に注目すると同時に、
ファンドの動きや石油の値段をみんなよく見ていてほしい。
戦争というのは、一部の人たちは確かに儲かる。
だけど8割の人たちにとっては最後は命の問題ですよ。
三宅:ましてや湾岸戦争のときみたいに、戦争の実費を日本がもつとか、
そういう話しになったら、それはもう戦争に加担して、
僕ら全員が人殺しにお金を出していることになってしまうんで、
そういう自体は避けなければいけないと思います。
ましてや、実質的な部隊の派遣という話も、ここぞとばかりに出てくるはずなので。
そういうことに関して、多くの人が善意のある意見を断固として提示していく、
本当に今そういう時期なんじゃないかと。
by homeopa
| 2013-09-02 09:20
| 世の中のこと