pimboke6

the forth revolution

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この映画を見てきました。
「第四の革命---- エネルギー・デモクラシー」


なんか、おどろおどろしいタイトルですが、
第四の革命というのは、
農業革命、産業革命、インターネット革命に続く、エネルギー革命ということです。

この映画は4年の月日をかけて制作され、
2010年にドイツで公開されました。
ドイツでは200万人の人々がこの映画を観て、
脱原発への決意をいっそう固めたそうです。

この映画の中でメインの語り手となるのが、
ヘルマン・シェーア国会議員です。
彼は原発から再生可能エネルギーへの移行を可能にするさまざまな法案づくりに尽力した、
ドイツの脱原発の立役者ですが、
残念ながら昨年亡くなりました。

なんといっても、映画から伝わってくるこのシェーア氏の情熱と実行力に、
勇気がわいてきます。
シェーア氏のインタビュー画像はこちら。

ほかにも、再生可能エネルギーに向かって踏みだし、
すでに実績を積んでいるさまざまな人たちが語っています。
デンマークで再生エネルギー100%の町を実現した人、
再生可能エネルギーだけでまかなえるオフィスビルをつくった事業家、
再生可能エネルギーに取りくむ貧しい企業家にお金を融資する銀行家、
ドイツの古い建物をエコ住宅に改造する人々、
スペインの広大な太陽光発電所を動かす人々など。
ついでに、再生可能エネルギーへの移行はとうぶん不可能だと言いつづけるIEAのお役人も。

再生可能エネルギーへの転換はもう夢物語りではないんだと実感しました。

日本で脱原発に抵抗する人々には、
大きく分けて三種類あると思います。

(1)原発から得られるお金を手放したくない人。
(2)再生可能エネルギーのほうがいいけどそれは無理だろうと思っている人。
(3)なんも考えていなくて、なんもしたくない人。

(1)と(3)の人たちを動かすには、たぶんあと10回ぐらい原発事故が必要でしょう。
そのころには人類は滅亡しています。
でも(2)の人たちは、この映画を観たら少し気持ちが変わるかもしれません。

日本でもいまこの映画の一斉上映キャンペーンが行われています。
たくさんの人たちが観たらいいなと思います。

ただひとつ、これを観ていて疑問に思ったことがありました。
世界で電気を使えない人たちは20億人いるそうです。
そういう人たちのいる地域にも、
カメの歩みではあれ、少しずつ太陽光パネルが普及しはじめています。
そししてその人たちが言うのです。
「これで私たちも夜間に働くことができるようになった」
「この地域もロサンジェルスや東京のようになれるかもしれない」
映画のナレーションでも、
電気がないことそれ自体が不幸であるかのような語り口がときどき出てきます。
まるで電気を使えない20億人の人々がすべて、
東京の人々より不幸であるかのような。
もちろん、電気を使えずに大変な思いをしている人はたくさんいるでしょう。
でも20億人のなかには、
電気にあふれた東京に住むわたしたちが持っていないものを持っている人たちも、
たくさんいると思います。

もっと大きく、もっと速く、もっと便利に、もっと金持ちに。
そういう価値観から行きついたところが原発だったはずです。
その価値観によって現代社会が失ったものは数えきれません。
家族の語らい、自然との結びつき、人間の生理に即した時間の流れ、人と人との信頼関係、地域社会・・・
原発事故による損失はその一部です。
単に原発を再生可能エネルギーに替えても、
この価値観、このモチベーションが変わらなければ、
また同じような社会ができるだけだと思うんですが。

ガンをつくった原因をなくさずに、ガンの腫瘍だけ切りとっても、
またガンはできます。
わたしたちは今そこを問われているんだと思うんですが。

   お金があっても家は買えるけどホームは買えない。
   時計は買えても時間は変えない。
   本を買っても知識は買えないし、
   ベッドを買っても眠りは買えない。
   医者に診てもらうことはできても、病は癒えない。
                   ---- FRYING DUTCHMAN  


なんか、いつになく、むきになって書いてしまった。
野田ブタのおかげでアドレナリンが分泌過多ぎみ!




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(沖縄タイムス 2012年6月14日)

 日立製作所は14日、2020年度の原子力事業の売上高目標を3600億円とする計画を発表した。
11年度の実績は約1600億円で大幅な拡大を目指す。東京電力福島第1原発事故の対策支援や
海外での原発受注の推進などで売り上げ増を見込んでいる。

 東京都内で開いた事業説明会で、電力や鉄道など主要7事業の15年度の売上高目標を公表した。
このうち原子力に関しては二酸化炭素(CO2)の排出量抑制や新興国を中心に伸びる電力需要への
対応で、今後も原発が有効なエネルギー源になるとし、従来計画と同じく20年度で11年度比倍増の
目標を掲げた。

 日立は「東日本大震災後も原発の建設計画を継続する国が多数ある。世界で38基を受注する
これまでの計画は実現できる」としている。(共同通信)



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by homeopa | 2012-06-17 07:33 | 再生可能エネルギー