ameno atono asano ochibano kirameki

「この世に不変で普遍の法則がある、なんてこともウソではないかと私は思う。自然はもともと
時間を含んで常ならざるものである。それを時間を含まない不変で普遍の法則ですべてを
説明できるわけがない。
我々は自然の中から、くり返し起こることを見出して、それを法則という形式で記述したのだ。
くり返さなかったり、たった一度しか起きないことに関しては科学は無力なのである。くり返す
と思っていたことが、いつくり返さなくなってしまうかもわからない。だから、不変で普遍の法則
があること自体が証明されているわけではないのだ。そういうものを想定すれば、その限りに
おいて、現象をうまく説明できるというだけの話なのである。」
「それでは、科学と現代オカルトに共通するものは何か。それは原理への欲望とコントロール
願望であろう。
第二章で述べたように、科学はなるべく少ない同一性(実体や法則)でなるべく多くの現象を
説明しようとする欲望を持っている。しかし、この欲望には、再現可能性というタガがはまって
いる。どんなに強い原理への欲望も、再現可能でなければダメなのである。科学は自らの欲望
に再現可能性という禁欲装置を装填することによって、すべての現象を説明したいという欲望を
抑えているのである。このため、科学は、原理的に説明できない現象は説明できないままに
放置せざるを得ない。それは科学の欠点ではなく最大の美点である。
オカルトは、科学では説明できない現象を説明すると称して、いとも簡単にこの禁欲を破って
しまう。禁欲を破って、原理への欲望だけがあらわになれば、一つの原理ですべての現象を
説明するという話になるのは見やすい道理である。」
「科学のもう一つの大きな欲望はコントロール願望である。科学が解明できるはずのくり返し現象
を徹底的に研究して、そのメカニズムを明らかにすれば、当のくり返し現象に関する限り、科学は
それをコントロールすることが可能になる場合がある。技術というのはまさにそういうものであろう。
科学技術を基礎にしている我々の生活は、それ以外のもの、すなわちコントロール不能なものを
できる限り排除する形で成立している。都市はその典型である。」
「そういう生活をしていると、科学技術は万能である、あるいは少なくとも、遠い未来の理想社会
では万能になるとの錯覚を起こす。」
「科学教育もまた、科学が説明できる現象しか教えないから、人々のコントロール願望はます
ます強くなる。これは当然、現代のオカルトに反映する。科学におけるコントロール願望の基礎
にあるのは再現可能性だ。オカルトは再現可能性を持たないゆえにオカルトなのだが、コント
ロール願望に支配されたオカルト信者たちは、もっとも通俗化された形での再現可能性すなわ
ちマニュアルをオカルトに持ち込むのだ。
錬金術では、その最も重要なアイテムである「哲学者の石」を見い出すマニュアルはなかった。
奇妙なことに、現代のオカルトにおいては、たとえば超能力を獲得するためのマニュアルが存在
するのだ。」
----- 池田清彦 「科学とオカルト」
図書館でたまたま見つけた本だけど、
いろいろ面白いことが書いてあったので、
ちょっとここにメモっときます。
Spinney by This Is The Kit (A Take Away Show) ♪
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
>鍵コメさん、ありがとうございます。
脚気のはなし、すごくおもしろかったです!
あとはよくわからなかったのだけど・・・
脚気のはなし、すごくおもしろかったです!
あとはよくわからなかったのだけど・・・
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
>鍵コメさん、寒いですね、ありがとうございます。
最初のコメントで「自然科学の法則性」となっていたので、
「自然の法則性」のことかな? と思ったんですが、
やっぱりそうだったんですね。
わたしもすべては必然なんだろうなと思います。
でもそれに関して人間(科学)が見つけだす法則は、
信用ならないですね。ころころ変わるし。
だから自分でも何かが「わかった!」と思ったときは、
とりあえずはね、と思うことにしてます。
カントですか……
自分がカントを読む姿を想像したことはなかったけど、
これも何かのご縁。今度読んでみます。
鍵コメさんも、ご自愛ください。
最初のコメントで「自然科学の法則性」となっていたので、
「自然の法則性」のことかな? と思ったんですが、
やっぱりそうだったんですね。
わたしもすべては必然なんだろうなと思います。
でもそれに関して人間(科学)が見つけだす法則は、
信用ならないですね。ころころ変わるし。
だから自分でも何かが「わかった!」と思ったときは、
とりあえずはね、と思うことにしてます。
カントですか……
自分がカントを読む姿を想像したことはなかったけど、
これも何かのご縁。今度読んでみます。
鍵コメさんも、ご自愛ください。

