pimboke6

camelia

camelia_b0170947_2138183.jpg

         朝、自宅のトイレに入るたびに、
         しあわせだなと思う。
         東北の避難所ではトイレに水が流れなくて、
         排泄物がたまりっぱなしになっているところもたくさんあるという。

         食べることも大事だけど、
         食べたあとで排泄することも大事。
         これがきちんとできないと具合が悪くなる。
         被災地に早く上水道が復活して、気持ちよくトイレができるようになりますように。
         
         たまりっぱなしといえば、使用済み核燃料。         
         原発から出るこの排泄物は、ずーっと放射能を出しつづける。
         だから簡単にその辺に排泄するわけにはいかない。
         行き場のないウンコ。
         原発が「トイレのないマンション」と言われる理由です。

         いま世界中にたまった高レベル放射性廃棄物のウンコは25万トンぐらい。
         そしてこれがすべて無害になるまでに10万年ぐらいかかるそうです。

         「100,000年後の安全」という映画を見てきました。
         フィンランドの高レベル放射生廃棄物の最終処分場オンカロ(隠された場所という意味)のはなしです。
         はっきり言って、元気になる映画ではない。

         地下500mの深さまで長い長い通路を掘っていって、
         そのいちばん下に100年分の放射性ウンコを納められる巨大な処分場ができる。
         ここはいま建設中で、2012年から稼働し、
         満杯になったら通路を埋めて、
         だれも近づけないようにするそうです。

         高レベル放射性廃棄物の最終処分場ができるのは、
         世界でここが最初だとか。
         このロケーションを選ぶにあたって、
         とても大事なポイントがありました。
         それは過去何万年ものあいだ地層が安定していて今後も変動しそうにない場所、
         つまり地震や火山活動のない場所であること。
         (日本なんか絶対だめじゃん)

         今のところこれがいちばん実際的で安全な処分方法だと
         考えられているようですが、
         それでも不確実な部分がたくさんある。

         10万年ものあいだ地殻が本当に変動しないのか?
         10万年のあいだには地上で戦争があるかもしれないし、
         国も言語も変わるかもしれない、
         人間そのものが今の人間とは違うものになっているかもしれない。
         (1万年前の人間を思えば、それは想像できる)
         そんななかで、ここに危険なものが埋めてあることを、
         後世の人間にどうやって伝えつづけるのか?
         たとえば1万年後の人間がここに古代文明の謎が埋もれていることを推測したとすると、
         その人はここを掘り起こしてみたくなるのではないか?

         とにかく今から10万年間、
         人間はオンカロに埋められた放射性ウンコについて
         安心することはできないのです。

         映画を見終わって、ずどーんと深い絶望におそわれました。
         たとえ今、地球上のすべての原発が止まったとしても、
         すでに膨大な量の放射性ウンコがたまっている。
         反原発なんて訴えたって、もう手遅れじゃーないの。

         なのに並んで歩いている娘は、
         桜の花を見て「春だあ!」なんてウキウキしている。
         若いってすばらしい、というか、おめでたい。

         でもそういうわたしも、
         想像力のおよぶ範囲はせいぜいひ孫の世代ぐらいまで。
         1万年とか10万年先のことなんて想像できない。
         だから孫やひ孫がなるべく幸せになれるように、
         何かすることしかできないわけで、
         そうなると世界中の放射性ウンコより前に、
         日本の放射性ウンコのことが心配なわけです。

         そしてそれより前に、
         ウンコをつくり続けている原発を止めたいと思うわけです。

         ちなみに100万キロワット級の一般的な軽水炉1基を1年稼働させると、
         300キロのプルトニウムが生まれちゃうそうです。
         核爆弾1個つくるのに必要なプルトニウムは5~8キロだそうですので、
         これで何個つくれる? (正解:37~60発)
         
         「希望と恐れは不可分である。
          希望のない恐れも、恐れのない希望も、存在しない」
                       ---- ラ・ロシュフコー
         
         
         
         ★福島原発10基の廃炉を要請する署名

         ★浜岡原発を止めよう!署名
         
         ★枝野さん、安全な電気が欲しいです。オンライン署名

         ★内閣府原子力委員会がみなさんのご意見を募集しています。


      
         





by homeopa | 2011-04-06 23:29 | 原発